(桜木神社) |
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吉野の万葉の道を下り、暫く歩くと右に見えてくるのが桜木神社です。紅葉色とあいまって、朱色の建物が実に美しい佇まいを見せている建物です。 象の小川を渡る為の橋は、義経がうたた寝をした橋を彷彿させるような屋形橋。 今風にいうと「吉野のマディソン郡の橋」とも言えるかもしれません。この桜木神社の謂れは、 大海人皇子がここにあった桜の木の下に逃れて危難を逃れた為と言われています。このように天武天皇・大己貴社・少彦名神を祭る桜木神社は、 又その昔疱瘡除けの神としても信仰を集めていました。 この前を流れるのが、聖なる山・青根ケ峰から流れる「象の小川」です。この「象の小川」には様々な歌人が訪れ、 その景色・思いを詠んでいます。特に大伴家持の父であり、歌人の大伴旅人はこの「象の小川」に魅了された歌人の一人でした。 昔見し象の小川を今見れば いよよ清けくなりにけるかも(巻3-316) |
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きり絵:田中道男 |