(細峠からの眺め) |
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ここは、多武峯から吉野へ抜ける二つの峠の一つで、標高700mという高所にあり、 この龍門山塊にある峠の中でももっとも高い峠です。 雲雀より空にやすらう峠哉 貞享5年(1688)二回目の吉野入りを目指した芭蕉が、初瀬泊まりの翌日の3月21日、多武峰を経てこの峠に辿りつき、 その景色に感動して詠んだのがこの句です。ご覧の通り大変見晴らしがよく、パノラマのように広がる吉野連山の眺望は、 芭蕉ならずとも心動かされるはずです。 |
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(細峠にある芭蕉の句碑) |
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遠方から歩いてきて、ようやく絶景に巡り合えたた芭蕉は大声で叫びたい衝動を押さえて句を詠んだのではないでしょうか。 又、貝原益軒の『和州巡覧記』には、 「是より南山を顧み望めば衆山皆高し、就中大峯釈迦が岳尤も高し。其頂は西に傾きて見ゆる。(中略)此嶺より吉野山は坤(南西)の方に見ゆ。 花の時は山白く見ゆる。山背の町家つづきて見ゆ。就中蔵王堂能見ゆる。」という記述があります。 あなたも、この眺望を前にして一句詠まれてみてはいかがでしょうか。 |